ビットコインのブロックサイズ問題について知る

ブロックサイズとは
ビットコインはブロックチェーンという技術を利用して稼働しています。「ブロック」と呼ばれる、ビットコイン取引を記録する台帳が「チェーン」状に連なっていて、それがネット上で誰でも閲覧可能な状態で公開されています。ブロックは取引台帳の役割を果たし、それぞれにビットコイン取引が記録されていきます。

ブロックサイズは、取引の記録を保存するデータの大きさ

ビットコインの取引は「誰のビットコイン」が「どのぐらいの量のビットコインを送ったか」を示す形で記録されていきます。その取引記録(「トランザクション」と言います)はデータとして保存されるため、「取引データの量」つまり「データサイズ」があります。

取引記録のデータサイズは、その取引によって異なります。普段利用する電子メールに、「○○(キロバイト)」などといったデータサイズがあるのと同じです。データサイズを持った「取引記録」が、ビットコインシステム参加者によって、ブロックの中に埋め込まれていきます。これが「マイニング」です。

一方、ブロックにも「ブロックサイズ」と呼ばれるデータ容量があります。ブロックには、ビットコインの取引記録以外にもデータが埋め込まれていますが、その容量のほとんどは取引記録で費やされます。

ビットコインのブロックチェーンのブロックサイズは、現在1MB(メガバイト)が最大容量です。なお、このブロックサイズの上限は参加者の合意があれば変更可能で、今までに変更されたこともあります。最初は36MBでしたが、堅牢性保持のために2010年に1MBに変更されました。

ビットコインのブロックサイズ問題

ビットコインには「ブロックサイズ問題」があります。ビットコインのブロックサイズ問題とは、簡単に言えば「今の最大容量(1MB)では、今後取引量が増えたときに容量が足りなくなる」というものです。

容量が足りなくなると、取引処理が遅れたり、最悪の場合は取引ができなくなってしまうケースがありえます。現在は、まだ1MBを超えるビットコイン取引の利用はあまり起こりません。少し余裕があります。

しかし、ビットコインの取引はここ数年でかなり大幅に伸びてきていて、このままでいくとビットコインのブロックの容量が限界になってしまうことは明白です。ブロックサイズの上限は1MBなので、それを超える合計取引記録のデータはブロックに詰め込めません。

仮に、世界中でビットコイン取引が行われた場合、ビットコイン取引の中になかなかブロックに埋め込んでもらえないものが出てきたり、最悪放置されてしまうものが出てきたりします。こうなると、利用者は送れるかどうか分からないビットコインを安心して利用できなくなり、大問題につながります。

ブロックの容量を上げることができる「SegWit」とは?

ビットコインには、ブロックチェーンのサイズ(1MB)が小さいことにより起こる不都合があります。この問題に対する1つの解決方法として、SegWit(Segregated Witness:セグウィット)があります。

SegWitとは、ビットコインのブロック内にもともと含まれていた署名や公開鍵などを分離して、別の領域に格納することです。具体的には、もともと「scriptSig」(取引の署名や公開鍵などから構成されるプログラム)に含まれるデータを、分離してまったく別の領域に格納することです。この新しいデータ領域を「witness」と言います。

そしてSegWitとは、このプログラムの内容を、「scriptSigの中に署名が含まれていなければならない」という意味のスクリプトから、「witnessの中に署名が含まれていなければならない」という意味に変更することを言います。これはブロックサイズの実質的な上昇を意味します。

そのほか、スケーラビリティ問題への解決方法として「ライトニングネットワーク」を作る方法も提唱されています。これは正規のビットコインブロックチェーン上ではなく、オフチェーンと呼ばれる別の場所でビットコイン取引を行うことで問題を解決しようとする取り組みです。これらの問題は、ビットコインの開発者たちが日々活発な議論をして開発を行っています。

ブロックサイズ問題に対する解決策

ブロックサイズ問題の解決策は、いくつも提案されています。ブロックチェーンのブロックサイズを大きくしようという提案や、取引記録自体の容量を少なくできる仕組み(「Segwit」と言います)の導入、ビットコインのブロックチェーンの外側で取引を行ってしまおう(セカンドレイヤーと呼ばれる)とするものまで様々です。

しかし、これが一筋縄ではいきません。というのも、技術的な解決方法があっても、中央管理者のいないビットコインでシステムを変更する際は、多数決による承認が必要だからです(厳密にはす)。様々な手続きが必要で単純な多数決ではないのですが、わかりやすくここでは多数決としています)。

多数決は、ビットコインコア開発者と、マイニンググループによって行われます。しかし、それぞれ立場と考え方があると、「これで行こう!」と皆が思う解決策はなかなか見つからないのです。そのため、未だにピットコインのブロックサイズ問題は解決していません。

解決の糸口となる可能性がある「Segwit」が、2年の期間をかけて2017年8月24日にビットコインで正式に採用されました。これによって解決を期待されていますが、完全に問題解決するには時間がまだかかりそうです。ビットコインにも、問題点が少なからずあります。

ブロックサイズ問題は、初心者でも知っておくべき情報です。ビットコインの今後に大いに関わってくる問題だからです。ブロックサイズ問題をうまく乗り越えられなければ、ビットコインの今後に暗雲が立ち込めます。一方で、うまく乗り越えればさらにビットコインに対する信頼や需要が集まるでしょう。

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