パブリックブロックチェーンの出現

ブロックチェーンの中心は「プログラム」

ブロックチェーンを採用しているビットコインには、管理者がいません。つまり、全体を管理する人も中央に決まったサーバーもなく稼働し続けているということです。これは、従来の多くのシステムと異なります。

ブロックチェーンのしくみを作ったとされるサトシ・ナカモトは、「管理者」が存在する従来の通貨システムに懐疑的でした。「中央銀行は通貨の価値を毀損しないと思われているが、通貨の歴史とはその信頼への度重なる違反の事実である」と述べています。

これを受け、ブロックチェーンを採用しているビットコインでは、通貨の供給量の上限があらかじめ決められており、中央銀行(管理者)による政策にその価値を左右されないためのしくみ作りがされています。

ブロックチェーンを採用しているビットコインの中心にあるのは、人ではなく一連のルール(プログラム、プロトコル)です。このルールに従って淡々とブロックチェーンは動き続けています。

そして、その一連のルールには、送金の方法、マイナー(採掘者)がどのように報酬を与えられるのかのルール、取引が枝分かれした場合の処理の手順、ビットコインの上限の壁などがあります。

このような、システム全体の中心に管理者ではなく、ルールを置く組織体制を「自律分散組織、DAO(Decentralized Autonomous Organization:ダオ)」と呼びます。ビットコインもDAOの一種です。ほかにも、ブロックチェーンを使って管理者不在の組織を作ろうとする動きが加速しています。

パブリックブロックチェーンが変える社会

ビットコインの登場によって、従来の組織の在り方から、「より自由に、より幸せに生きる方法があるのではないか」と考えるきっかけが与えられました。仕事において、組織はとても重要な役割を持ちます。

「会社」は営利を目的とする組織ですが、人々はそのために集結して長期間団結します。そして課題を見つけてはクリアしていきます。それを高効率で行うためにトップが存在するのですが、トップ不在で効率よく組織が形成できるなら、組織のあり方そのものを考え直す必要があります。

一つの問題に対して有志が集まってクリアする。集まった組織の運営は、団結のためのルールを設定し、それをもとに仕事をする。これがDAOという組織の考え方です。ビットコインが組織運営に与えた影響はそれだけではありません。

ビットコインを生んだブロックチェーン技術は、中央管理者不在で信頼のおける取引が実施できることを証明しました。ビットコインのブロックチェーンのように、トップ(管理者)のいないブロックチェーンを「パブリックブロックチェーン」と呼びます。

管理者のいるブロックチェーンは「プライベートブロックチェーン」。パブリックブロックチェーンの出現により、これまで管理者(トップ)が責任を負うことで信用を確立した様々なことが、フルオープンにして記録を全て残すことで実現できるということを証明しました。

今後これは世の様々な在り方を変える可能性があり、そうなった場合に私達は否が応でも今の組織の課題について考えさせられるのです。

パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンの違い

ブロックチェーンの起源はビットコインです。そしてビットコインにおけるブロックチェーンは公開された状態のものです。これをパブリックブロックチェーンと呼びます。一方、ブロックチェーンの技術をクローズドな環境で活用しようという動きが出てきました。これをプライベートブロックチェーンと呼びます。

従来のパブリックブロックチェーンは、情報が公開されるという特性から、顧客の取引データなど公開できない情報がある場合は採用できませんでしたが、プライベートブロックチェーンは公開範囲を限定できるため、顧客情報などの秘匿性の高いデータのやり取りにも応用することが可能です。

とくにプライベートブロックチェーンは、特定の業界内で複数の会社や関係者でコンソーシアムという形式で構成することに多くのメリットがあります。具体的には、金融機関同士や不動産会社同士などが挙げられます。実際にプライベートブロックチェーンの動きは進んでいます。

例としては、ビットコインのブロックチェーンを使った「MultiChain」、イーサリアムから派生した「HydraChain」、そして独自のブロックチェーンである「mijin」などがあります。ただ、もともとブロックチェーンは「管理者がおらず公開されている」という点が革新的な点であります。

プライベートブロックチェーンは、その部分を無視してコスト削減や実質ゼロ・ダウンタイム実現などのメリットだけに目を向けており、これらの研究開発に懐疑的な声もブロックチェーン原理的支持者の間からは聞こえてきます。

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