IMAP
受信したインターネットメールをサーバから取得するためのプロトコルです。
概要 |
POPと違い送受信データをサーバ上で管理するため、どのコンピュータからでも同じデータを参照することができます。POPが電子メールのダウンロードプロトコルだとすると、IMAPはメールボックスヘのアクセス制御プロトコルだと言えます。 POP:ダウンロードしたメールはサーバから削除されて、ローカルに保存されます。 IMAP:フォルダ分けなどもサーバ上で行うため、メールはサーバに保管されたままです。 メールサーバ上に送受信データを置いているため、複数のコンピュータを使い分けている環境でも、常に同一のデータを用いて送受信を行うことができます。 |
解説 |
受信したインターネットメールをサーバから取得するためのネットワークプロトコルで、通常は通信ポートとして143番を使用します。現在はIMAP4というバージョンが利用されています。受信メールをサーバから取得するというと、他にPOPという受信用のプロトコルが存在します。両者ともに「メールを取得する」という目的は同じなのですが、根本的な考え方が違います。
POPは基本的に受信メールをダウンロードするためのプロトコルです。そのためサーバ側にデータは残らず、複数のコンピュータを使い分けているような環境では、データを共有することが困難でした。たとえば、会社のコンピュータで受信した電子メールは、自宅のコンピュータでは参照できないなど、双方のコンピュータ上で同じデータを共有するためには、手動でファイルのコピーを行わねばならず、現実的ではなかったのです。 これに対し、IMAPでは送信した電子メールを含む、すべての送受信データをサーバ上で管理します。したがって、データは常に1ヶ所で管理されることになり、IMAPに対応した電子メールソフトさえあれば、どのコンピュータからでも同じデータを用いて電子メールの送受信が行えるようになるわけです。 IMAPのプロトコル仕様は、POPに比較して複雑であったため、当初は対応した電子メールソフトが少なく、そのためさらに普及が遅れるといった悪循環に陥っていました。しかし、最近ではMicrosoft社のWindows LiveメールやMozilla財団のThunderbirdなどの、主要な電子メールソフトが対応したこともあり、利用者が広まっています。 |